生徒会から叱責を受けるも、前向きな気持ちで活動に臨む綾たち。初ライブを終え、いつものファミレスに集まる四人。そこでようやく、四人目のメンバーとしてこころを迎え入れた。
▷
「それで」
こころの歓迎ムードも束の間、綾はすぐに話題を戻す。
「生徒会に話をつけて、私たちがちゃんと活動できるようにしてもらおうと思うの」
「なんて話すの?」
「フラワーズ・ヒル高校スクールアイドル部を、正式に部活動として認めてもらう!」
「なるほどね」
こころはそう呟いて、椅子の背もたれに身体を預ける。
「あの…」
一瞬の沈黙の後、麻央が控えめに声を上げた。どうしたの、と綾は微笑む。
「私、生徒会長さんと一緒に活動したいです」
「…………え?!」
麻央の発言に、他の三人が驚きを露わにした。
「ま、麻央ちゃん…? どういうこと?」
こころの問いに、麻央はほんの少し表情を崩して答える。
「私、なんだか…会長さんみたいに、あんなに強く発言できる人、いいなって思って…」
「あぁ…そういうこと…」
そう返すのが、こころは精一杯だった。明らかに気まずい空気が流れる。それを断ち切るかのように、今度は唯が口を開いた。
「あの、綾さん」
「なーに?」
「生徒会長をメンバーに入れるっていうのは、どうですか?」
「うーん…」
唯の問いかけに、綾は少し考える素振りを見せ、それから答えた。
「いいよ! 相手が誰であろうと、私が説得してみせるよ!」
「綾さん…」
ありがとうございます、と麻央は綾に小さく礼を言った。それに対し、綾は笑顔で頷く。
「それじゃあ早速、明日にでもお願いしてくるね!」
0コメント