こころが活動に参加し、四人体制で新たにスタートを切った綾たち。そんな中、麻央が生徒会長のメンバー勧誘を提案。その内容に一時は驚いたものの、綾はそれを受け入れることを決意する。
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——翌日。綾は、昼休みに生徒会室を訪ねていた。
「…あら、日向さん。この間の謝罪なら、もういいわよ」
真剣な面持ちの綾に、ミヲはそう冷たく言い放つ。
「いえ、今日は別の用で来ました」
「何の用ですか?」
「スクールアイドル部を、正式に部活動として認めてください」
「大前提として、部活動は最低でも部員が五名必要です。その条件はどうするつもりですか?」
ミヲの言葉に、綾は瞬時に考えを巡らせる。
「では、生徒会長も私たちの活動に参加していただけませんか? そうすれば、部員は五人になります」
途端に、側で綾の話を聞いていたすずが声を上げて笑う。
「いやぁ、まさかそう来るとは思わなかったよ!」
「あ…はい」
「でもね、ダメだと思うなぁ。ミヲ、そういうの興味ないというか、むしろ反対派だから」
すずは笑いながら、ごめんね、と付け加える。
「…そうですか、分かりました」
綾はそう答えると少し俯き、それからまたすぐに顔を上げてミヲの方へ向き直った。
「では一度、私たちの練習を見に来てください。それだけでいいです」
それから綾は、放課後に屋上で練習していることを伝え、生徒会室を後にした。
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